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「わたしのウチには、なんにもない。」 夏帆演じる”ゆるりまい”の断捨離術は汚部屋住人のバイブル?

      2017/09/14

人気エッセイ(ゆるりまい著)『わたしのウチには、なんにもない。』がNHK BSプレミアムでドラマ化される。

主人公・ゆるりまい役は女優・夏帆に決まった。

かつて汚部屋の住人だったという著者は、いつしか「捨てたい病」と強い物欲の間で葛藤するようになる。生活に必要な最小限度のモノ以外存在しない、モデルルームのような簡素な部屋。そこへ訪れた友人は彼女(まい)を「捨て変態」と呼んだ。

たくさんの本や思い出の品々も必要ないと思えば容赦なく断捨離だ。
後に残るのは選別された機能的なモノと、その判断を下した自分自身である。

著者は自身のブログで現在暮らす部屋の様子や愛猫を紹介している。
(※猫が可愛いし…幸せそう~^^)

参考なんにもないぶろぐ

エッセイ部分は面白いが漫画部分が不評な理由

『わたしのウチには、なんにもない。』だがエッセイの漫画部分が好きになれないという感想が目立つ。コマ割りの余白が多すぎるとか絵が下手というレビューがあった。これら多くが女性の意見である。

私も立ち読みレベルで目を通したが、確かに余白の割に吹き出しが窮屈で、セリフや注釈が読みづらいと感じる所はあった。

絵柄に関しては好き嫌いは仕方がないとして、絵は言われる程下手ではない。むしろエッセイ向きな気がする。ちょくちょく説明(セリフ)とイラストの表現がマッチしていない部分があり、その辺りが曲解され”絵が下手”という感想を引き出してしまうのかも?

ライフスタイルの提唱で欠かせない部分、過去どんな汚部屋だったか?また収納の様子やアイテムの紹介はイラストや写真が適している。そういう箇所は見ていて参考になる。ただ自分物語を漫画で介入させた事で賛否が別れた気がする。

著者は文章だけで読者を楽しませるセンスが十分あり、その部分をあえて漫画にした事で予期せぬニュアンスが本書を駆け巡った感じが否めない。

これは断捨離のハウツー本ではない?

それと本書はあくまで著者ゆるりまいの自叙伝的エッセイであり、必ずしも汚部屋からの脱出や断捨離にまつわる「捨てるノウハウ」を伝授してくれるモノではない。

例えば不要品の処分の仕方に以下のような方法を上げている。
(※ブログより抜粋)

  • 人に譲る
  • リサイクルショップに売る
  • ネットオークションで売る
  • フリーマーケットで売る
  • フリーマーケットで売る
  • ゴミとして処分する

、、、なるほど、これといった目新しさはない。

この辺りを期待して読み進めた場合、間違いなく裏切られたという気分になってしまうはずだ。書籍のボリュームの割に値段もやや高めに設定されているわけで…

エッセイの感想に、「捨てたい病」というより「しまいたい病」。毎日何かを捨てていられるほど無駄な買い物をしている。たんに資源の無駄遣い_とあった。

著者は優れたミニマリストではない。

本人も自覚しているように「捨てたい欲求」と同じくらいの「物欲」に葛藤している。ここは彼女の生い立ちが深く関係している。

断捨離の成功者が汚部屋から脱出して、モデルルームでミニマリストを気取っているのとは違う。

現役の汚部屋住人が『わたしのウチには、なんにもない。』を見たとして、果たして断捨離の参考になるかどうか? スッキリ収納に関しても、予めそれなりのスペースが必要になる。

このエッセイを読んで断捨離のモチベーションを得たという感想もあったが、万人向けではない。

元汚部屋暮らしの経験者として思うのは、便利なモノに囲まれて暮らす現代では、物の価値と自身の価値感を混同というか、同化してしまうような危機感がある。物は時間を奪うしトラブルの原因にもなりやすい。

物を捨てられない(片付けられない)背景にADHD(注意欠陥)といった病気が潜んでいる場合、自己解決はより困難になるという。

エッセイやドラマでは面白可笑しく描かれる題材だが、我が身に置き換えれば笑えない話だったりする。

私の場合、祖母と愛犬が立て続けに亡くなった事が汚部屋粛清の大きな動機になった。その辺りの事情に興味があれば、こちらの記事を読んで欲しい。

関連記事コツコツ断捨離で簡単に汚部屋脱出!毎日5つゴミを捨て続けて7ヶ月経過

時間はかかるかもしれないが、身の程を知れば汚部屋から脱出することは十分可能だ。ライフスタイルを大きく変えたければ、ノウハウよりもメンタルこそが大事だと今は思っている。

あとは時間が解決してくれるはず。

わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります [ゆるりまい]

価格:1,080円

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