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ブレードランナー続編「Blade Runner 2049」でデッカード レプリカント説はどうなる?

      2017/09/05

ブレードランナー以降、SF映画は原理原則や社会の仕組みにまで、想像力の具現化が見られるようになった気がします。大袈裟でしょうか?

空想遊戯と現実との接点をどう計らうか?現代の延長線上にある世界(SF)を描こうとすればブレードランナーのように社会の変遷を視野にいれたインスピレーションの映像化が必要な場合もあるでしょう。

人類が創り出すだろう、最も畏怖すべきリアルな科学(テクノロジー)などを描くわけです。

先走る空想に人間ドラマが追従する必然性も求められます。

未来を連想させるギミックはやはり単なる背景の役割でしかない?未来という漠然とした設定に必要以上に寄りかからない所がブレードランナーの秀逸さに思えます。

細部ほど情報過密になるSF映画にハマるワケです。

まず明快な時代がデザインされ、内包する全ての現象が自己相似を伴い説得力に満ちているか?

※続編のタイトルが「Blade Runner 2049」に決まったようです。SF映画の金字塔、新スタンダードとなった作品の2度目の産声に期待してます。

BUCK-TICKって結構SF的?

話はブレードランナーから一旦大きく逸れます。

BUCK-TICKの名盤「悪の華」は今聴いても衝撃的です。なぜなら、ようやく楽曲の世界観をジャッジ出来るくらいの時代になったと思えるからです。当時はもっと表面的な部分(エキセントリック)に悶えていました;;

NATIONAL MEDIA BOYS 」が昔から大好きな曲ですが、歌詞の意味についてはあまり深く考えながら聴いていませんでした。

ところがある日突然、この歌の世界観がブレードランナーにおけるネクサス6型レプリカントの状況を語っているように思えてきました。

ってことで、歌詞をちょっと紹介します。

♪超人は千年まで夢を見る 、、、の出だし始まる歌詞の世界。

♪踊れ踊れ仕組まれた、Metoroの夜の 、、、

♪狂気の淵で君を待つ天才と神の気まぐれ 、、、

NATIONAL MEDIA BOYSの歌詞

「Metoroの夜」とか、響きがもうヤバイ。

天才科学者タイレルによって、人間そっくりに作られた有機体アンドロイド。レプリカントはその寿命が4年と短い。しかしいつの日か感情を持つようになり、人間の奴隷という立場を嫌い始める。

奇形の人間なのです。

私は以前から、BUCK-TICKの世界観にサイバーパンクに通じるものがあると勝手に思っていました。「NATIONAL MEDIA BOYS」以外にも、レプリカントのような存在を物語の中心に据えてやると、しっくりくる楽曲がいくつかあります。

「NATIONAL MEDIA BOYS」の歌詞で、”キミニ告グ、ユメワオワラナイ”_という箇所があり、これをブレードランナーのラスボスだったロイからタイレル博士、または人間全体に向けられた言葉(警鐘)と取ると面白い。

実際の所は、ナチス時代ヒトラーの扇動により狂気に走る青少年達。そんな世界観をある種、喜劇的に描いているとのこと。

この曲を作ったのは言わずと知れた天才・今井寿さんですが、SFの世界観は材料の一欠片としてあったでしょうか?

惡の華(2015年ミックス版) [ BUCK-TICK ]

価格:3,637円

感想(3件)

ブレードランナー続編 ガフの折り紙の暗示?

デッカードが何者で、ガフの折り紙についての詳細はこちらから確認お願いします。

参考『ブレードランナー』は、1982年公開のアメリカ映画。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としている。

さて、ブレードランナー 続編では、デッカードのレプリカント説の真偽が明かされるのか?

ブレードランナーの世界は狂気と哀愁に満ちています。そこで生きる住人達には家族臭が皆無で、誰がレプリカントだったとしても不思議ではありません。

行く所まで行った世界なんです。

続編はブレードランナーから数十年後(西暦2049年かな?)の世界であることが判明しています。

続編は3部構成であり、第3部にデッカードは登場するらしいです。

これだけ聞くといかにも、彼がレプリカントとして狩られる側っていう推論を抱かせます。たしかにブレードランナーにみるデッカードのタフさは尋常ではありませんでした。

深読み上等のSF作品だけに、妄想し出せば切りがない。

ブレードランナーの謎の多くは、複数存在するエンディングに見ることが出来ます。後付なのか、狙いなのかは判然としない状況です。

  • オリジナル劇場版(1982年)
  • インターナショナル劇場版(1982年、通称『完全版』
  • ディレクターズカット 最終版(1992年)
  • ブレードランナー ファイナルカット(2007年)

※私はファイナルカットしか見た事がありません。ちなみに最終版がよりデッカードレプリカント説の根拠を示す編集になっているようです。

ディレクターズカット(最終版)に挿入された、デッカードが見る”ユニコーンの夢”と、ガフが最後に折った”ユニコーンの折り紙”が、デッカードレプリカント説の色濃い根拠となっています。

普通の人間がユニコーンの夢を見たりはしない?
※レプリカントの見る夢は人工的に埋め込まれたもの_という推論。

またユニコーンは幻獣であり存在しません。これはレプリカントの存在に対する警告を含む表現だと予想できます。

ガフはデッカードの監視役(ライバル?)でしたが、命短しレイチェル共々見逃したという説があります。この行動もデッカードがレプリカントかもと深読みさせる部分です;;

それ以外にもデッカードには疑惑を抱かせる要素が、、、

※エドワード・ジェームズ・オルモス(ガフ役)によれば、続編のガフの登場はわずか1シーンのみ。しかしそれは強烈な場面だと明かしています。

麗しのレイチェルはどこ行った?

1980年当時、レイチェルを演じた米女優ショーン・ヤングの美しさよ。

今見返してもため息モノです。

日本の女優さんに例えるなら、橋本愛さんや早見あかりさんのような丹精な顔立ち。澄んだ大きな瞳につい吸い込まれてしまう。

あのレイチェルとデッカードのキスシーンが忘れられません。レイチェルの瞳からは涙が溢れだしていました。そこにあったのは紛れも無い人間としての感情だった気がします。

人間とは何だ?

この疑問に対するブレードランナーのリフレインが切ないワケです。

仮にデッカードがレプリカントだったなら。

こんな皮肉に満ちた、恋話はないでしょう。

すっかりオバサンになってしまったショーン・ヤングですが、続編ではオファーがないことに些かご立腹だそうです。

確かにヒロイン的存在だったレイチェルのその後が描かれないとしたら寂しいですね。

あの後二人はどんな時間を過ごしたのか_な。

※続編「ブレードランナー 2049」では、リドリー・スコットは製作総指揮という形で制作に携わっています。監督はカナダ出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ。「プリズナーズ」「ボーダーライン」「メッセージ」などを手がけた鬼才です。

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