羽生結弦は棄権すべきだった?脳震盪で恐いセカンドインパクトの症状?
2017/03/11
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦、中国・上海大会で起こった悲劇。
6分間の練習中、スピードに乗った羽生結弦選手と中国のエン・カン選手がはげしく激突する事故が起こりました。
結果として羽生選手は頭部と顎に裂傷を負って流血。これはあくまで目に見える傷で、肉離れや打撲といったダメージもあったようです。それはダンプカー同士の激突に例えられる程、衝撃的なものでした。
痛々しい姿で競技に復帰した羽生選手でしたが、時折痙攣ともとれる動きを見せていたので、脳へのダメージも心配されていました。
不屈の闘志で演技をやり遂げた事は素晴らしかったが、、、
あの場面を美化するわけじゃないけど、どんな窮地にも負けないヒーローの姿に私自身涙がこみ上げるような思いでした。会場の観客も悲鳴のような声援を彼に贈っていました。
不謹慎な言い草ですが、そこにドラマチックな空間が出来上がっていた気がします。羽生選手の後に滑った、コフトゥン選手(ロシア)も通常の精神状態ではなかったかもしれません。
誰もコフトゥン選手の優勝に意義を唱える事はないにしろ、主役の不遇にそれを素直に喜べない雰囲気が出来上がっていたかもしれません。
あの瞬間から”負の連鎖”が始まってしまったか。
羽生結弦 脳震盪による後遺症の可能性?
専門家の見解では、エン・カン選手と衝突してすぐに起き上がれなかった羽生選手には脳震盪(のうしんとう) の症状があった可能性があったといいます。
脳が小さな傷を負って出血したかどうか?強行出場の裏で彼を応急処置したアメリカチームの医師はどんな診断を下していたのか?
フィギュアスケートに限らず他の競技でも、脳震盪が選手生命に大きな危機をもたらすことが危惧されています。
脳震盪はその後繰り返されることで、後の軽度な衝撃(セカンドインパクト)が致命傷になる危険性を秘めているそうです。
※こちらの記事では、脳震盪の危険性を柔道などの競技で起こった事例を挙げて説明しています。
脳へのダメージは裂傷や骨折などのように痛みを伴わない場合もあり見逃されるケースもあるといいます。
具体的な症状としては、意識消失以外に頭痛、吐き気、平衡感覚を失う(めまい)、光や音に敏感になる_などです。
羽生選手の場合、意識は保っていましたが、痙攣などの症状が見てとれました。競技に戻るために何らかの薬の力(痛み止めなど)を借りていた場合、本人すら自覚できないレベルでダメージが進行する可能性も否定できません。
オリンピック金メダリスト、世界屈指のトップ選手として棄権というお手本を示すという選択肢もあったでしょう。
ただね、本人にしか解らない世界(感覚)があったんだろうと今は思います。
彼が強運の持ち主であることを祈るしかありません。