竹鶴リタ同様エリーにも子供は授からないのか?
2017/08/21
現在放送されているあらゆるドラマの中で、マッサンがダントツに面白い。
この物語の時代設定は、今からおよそ100年前。
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝とその妻リタ(本名:ジェシー・ロベルタ・カウン)をモデルに描かれたフィクションである。
ただフィクションといっても、登場する人物や団体などは改名するなどして極力事実(史実)に基づく体裁を取っているとのこと。竹鶴夫妻の物語という見方でさほど問題がない_という事だろう。
そこで気になる、政春とエリーの子供の事。マッサン以降、竹鶴夫妻の事を調べる中で二人は生涯実子を授かる事がなかったとある。そのため後に竹鶴政孝の後を継いでニッカウヰスキー社長となる竹鶴威氏は養子だという。
竹鶴リタは流産を経て養女を迎い入れるが…
竹鶴リタは一度妊娠したが残念ながら流産に終わっている。もともと出産には厳しい健康上の理由を抱えていたという事だった。そんなこともあり、威氏を養子にする以前に房子(改名後:リマ)を養女として迎えていた。
※房子の母親は政孝の遠縁にあたる女性だったが、お産直後に亡くなるという経緯があった。
結果的に二人の子の母親になったリタであったが、養女リマとの親子関係は良いものではなかったそうです。最晩年まで不仲であったといいます。
「マッサン」ではこの辺の史実に対してどのように手を加えるのか、また加えないのか?ただエリーと政春の物語にこの史実を重ね合わせて想像すると本当に切ない。フィクションとはいえ、こういう部分で物語を先回り出来てしまう所がなんとも徒花(あだばな)だ_。
でもエリーの晩年までを濃く描くつもりならば、避けては通れないエピソードであることは間違いなさそう_。とりあえずは子宝に恵まれなかったリタをエリーで再現するのかどうか?中盤以降、政春がウイスキーで一本立ちする時期に重なるような予感がします。
※エリーは不慮の事故(階段から足を踏み外す)によって流産を経験します。さらに血液の量が健康な人より少ない為、今後の出産は無理だろうと医師から宣告されます。
亀山夫妻の子供については、第10週「灯台下暗し」から第12週「冬来たりは春遠からじ」にかけてじっくり放送される予定。年末にかけて悲しくて切ない展開が待っているということだろうか?
非常に杞憂な人生模様だけに、視聴者としては幸福の配分という所も無視出来ない要素ではあります。
竹鶴威の強運で驚きに満ちた人生
竹鶴政孝リタ夫妻の養子”威“(タケシ)の物語。
ところで1985年にニッカウヰスキーの社長となった、竹鶴威氏(旧姓・宮野)が自分自身の生い立ちや竹鶴夫妻との貴重なエピソードを詳しく綴った 回想録 がとても面白い。
威氏は竹鶴敬二郎(政孝の父)の三女・延代の四男であったが、子宝に恵まれなかった政孝リタ夫妻の養子となる。回想録の中で、戦時中広島への帰郷があと一日早ければ原子爆弾の被害にあっていただろうと振り返っている。
焼け野原の残留放射能のなかを彷徨う事もあったというが、病気とは無縁の人生だったといいその強運ぶりには驚かされるばかりです。
「マッサン」で、竹鶴威氏のエピソードがどのように描かれるかは今のところまったく予想できません。しかしながら、威氏の回想録の内容は「マッサン」の時代背景をより理解するのに役立つものでした。創業者・竹鶴政孝の功績はもちろん、養子・威氏の研鑽なくして後のニッカウヰスキーの繁栄はなかっただろう_と。
※エリーにとっては義姉となる岡崎千加子(西田尚美)には3人の子供がいます。エリーはかつて千加子のお産に立ち会った事がありました。あの時生まれた男の子、 岡崎悟 (泉澤祐希)が後に政春の後継者となる可能性があるようです。
悟は出征し無事生還(シベリアから)しますが、壮絶な経験をしたことで心に傷を負ってしまいます。かつての鴨居英一郎のように、政春と師弟関係となり心を通わせ回復して行くのかもしれません。
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※資料では威氏は1949年(当時25歳)、大日本果汁(ニッカウヰスキーの前身)に入社。技術者としてウイスキーの品質向上に尽力している。